折本ひとみの活動報告折本ひとみの活動報告

30周年記念の田植え遠足

最近よくはずれる天気予報も、今日ばかりは的中。小雨の中、匝瑳市の田んぼに向けて、遠足バスが出発しました。

今日は、保育園の30周年を記念した特別行事の「田植え遠足」。

結婚式ならば、「雨降って地固まる」ということで、雨もめでたさを増す演出のひとつとなり得ますが、事は田植え。青空のもと薫風に額の汗が気持ち良い、といった天気が望まれるところでしたが、田んぼでは地元の農協や役所の方々が待ってくださっており、少雨くらいで中止にする訳にはいきません。ましてや、園の30周年行事。この「田植え遠足」には、特別な思い入れがあります。

30年前、埋め立て地から吹いてくる風が、堤防を超えて砂埃を運んでくる今川の地に、母とともに保育園を開園。人格形成に大切な幼児期に、挨拶や善悪、感謝、思いやりなど、社会の中で生きて行く上で、最も基本的なことを身につけてほしいと願いながら、園を運営してきました。

その手法のひとつとして、「食育」があります。当時、「食育」などという言葉ではありませんでしたが、30年前には、公立の小学校の給食でも当り前のように、「好き嫌いをせず、感謝の気持ちを持って残さずいただく」という指導が行われていたと思います。

それが、「個性を尊重する」とか「一人ひとりに合わせた指導」という時代の流れのもとに下火になり、いまや学校は大量の残飯を排出する主要施設のひとつになってしまいました。

「給食」という事柄だけを切り取ってしまえば、「無理に嫌いなものを食べる必要はない」とか、「食事の時間は楽しく」という理由も通りますが、食育は人としての基本を育むのに非常に有効だと、私は実体験を通して感じています。

たとえば、「感謝して残さず食べましょう」の背景には、一生懸命働いて給食費を払うご両親、給食を運ぶ人、調理する人、食材を育てる人、そして「食物」という恵みをもたらす地球にまでつながる物語があり、こどもの視野を広げます。

また、「好き嫌いをやめましょう」と食わず嫌いを直していくには、まず保育士と園児の信頼関係が必要ですし、「見守り」、「励まし」、「褒める」という、こどもと向き合う際に非常に重要な基本を積み重ね、はじめて結果が得られることです。保育士も園児も、食育を通じて同時に成長し、できたときの喜びを共有することができます。

さらに、偏食の少なさは人としての間口の広さにつながると感じることが多々あります。偏食がなくなるごとに「かたくなさ」が消え、保育園という小さな集団の中で、協調して過ごすことができるようになるなど、社会性の育みにも効果があると実感しています。

そこで、30周年には、食べ物がどんな風に作られるのか、それを担っている方々のご苦労や、「田んぼ」という恵みの場を、実体験を通して知ってほしいという想いから、「田植え遠足」を企画したのでした。

一行の日ごろの善行が功を奏して、到着したころは雨が上がり、薫風ならず、強風ではありましたが、次の雨雲がやってくる間に、なんとか田植えを体験してもらうことができました。

秋には、収穫されたお米を炊いて、お米を作ってくださった方のみならず、この30年を支えてくださった、たくさんの人に感謝をしながら、みんなでありがたくいただきたいと思っています。

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