折本ひとみの活動報告折本ひとみの活動報告

反対討論全文

本日、開催中の9月定例会に提出された議案の採決を行いました。

私たち、会派明日のうらやすは、「議案第8号 契約の締結について(仮称千鳥地区障害者等就労支援施設建築工事)」と、「議案第9号 契約の締結について(仮称千鳥地区障害者等就労支援施設機械設備工事)」の2議案に反対いたしました。

私たちは、障害者の就労支援は、必要な施策であると常々考えています。しかし、その手段として、今回のような箱モノを建てることが、本当に有効な施策なのか、障害者に真に役立つ就労支援となるのか、たいへん疑問に感じたための反対です。

反対の理由を明確にするため、私は、採決に先立って、反対討論をさせていただきました。以下、討論の全文を掲載いたしますので、ご一読いただければ幸いです。

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議案第8号 契約の締結について(仮称千鳥地区障害者等就労支援施設建築工事)ないし議案第9号 契約の締結について(仮称千鳥地区障害者等就労支援施設機械設備工事)について、反対の立場で討論いたします。
私ども明日のうらやすは、この議案に反対をいたしますが、障害者の就労支援は、必要な施策であると常々考えています。しかし、その手段として、今回のような箱モノを建てることが、本当に有効な施策なのか、障害者に真に役立つ就労支援となるのか、たいへん疑問に感じているのです。
反対の理由は、3点あります。
まず一点目は、土地利用目的の変更です。
そもそも、この施設設置は、クリーンセンターの余熱を利用して、(モデルプランだったとは言え)水耕栽培等の産業をおこし、そこで、障害者就労支援事業を行う民間事業者を募集し、土地を貸すだけで、後は民間事業者の創意工夫と責任にて、民設民営にて建設・運営するためのものであったはずです。そのために、わざわざこの千鳥15番5に土地を取得したものと認識しております。しかし、今回の契約にあたって、「余熱利用による産業での就労を生み出す」という土地を取得した当時の利用目的が消滅したことが明らかになりました。そもそもの利用目的を達成できないことが明確になった時点で、計画を一から見直すべきであったと思います。新たなハコモノ建築をするのではなく、美浜南小学校にできた市民大学のように、児童不足の小学校を改築してオープンするなどの方法も検討すべきだったのではではないでしょうか。
次に二点目ですが、箱モノ建設とサービスの公平性の問題です。
今回の建設にあたっては、土地の取得金額も含めて、10億近くの財政資金が投下されることになります。この施設で行われる事業は、福祉的就労と一般就労、そして就労支援センターの三部門です。福祉的就労40名、一般就労35~70名と、就労にあたる障害者一人あたり約1000万円 の計算になります。当局の説明では、市内で手帳をお持ちの障害者15才から60才までの方は約1300人。手帳をお持ちでない方で就労支援が必要な方も含めると、相当数の方がこの事業の対象となるわけですが、一般就労の受け入れ人数は、2社合わせても35名から最大70名(大東コープレートサービス:25~30名程度、リクルートスタッフィングクラフツ:10~40名)、しかも、これらの民間企業が必ずしも浦安市民だけを採用するものではありません。これでは、公が行うサービスの公平性(浦安市が行う浦安市民へのサービスの公平性)は到底担保できません。
三点目は、この一般就労部分を特例子会社に委託する点です。
一般就労部分には、特例子会社2社が入ります。地元とは特に縁のない、大東建託の子会社大東コーポレートサービスと、リクルートの子会社リクルートスタッフィングクラフツです。では、特例子会社とは一体どういうものなのでしょうか。
「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法と呼ぶ)」では、企業等にも一定の割合の障害者を雇用しなくてはならないことを義務づけています。その基本が、法定雇用率と呼ばれているもので、障害者雇用促進法で求められる法定雇用率は、事業主に課せられる義務です。つまり、法人単位で障害者雇用を行わなくてはなりません。
しかし、この法定雇用率という数字だけでは、障害者雇用がなかなか増えません。そこで、様々な仕組みが考えられ、現在運用されているひとつが、特例子会社制度です。別法人の子会社が、障害者雇用のための環境を整備するなど一定の要件を満たし、厚生労働大臣の認可(親会社の管轄のハローワークに書類提出)が得られれば、親会社の雇用と「みなされる」。これが、特例子会社制度です。ここで、勘違いしてはいけないことは、特例子会社とは障害者雇用促進法上で、「特例」なだけであって、それ以外は、一般の「普通」の会社であることです。福祉工場や作業所などといった、「非営利」の組織ではありません。特例子会社というのは株式会社あるいは有限会社といった「営利法人」なのです。
「民でできることは民に」の方針の下には、民設民営が最適な方法であることは言うまでもありませんが、この特例子会社は、「民でできること」ではなくて、「民がやらなくてはならないこと」つまり、企業に課せられた法的義務を果たすためのものです。この「民がやらなくてはならないこと」に公が財政出動をすることは、公と民との役割の逆転に他なりません。(障害者雇用の促進という大義名分の下に一企業の営利追求の一助を公がやることになりはしないか)総括質疑に対する答弁においても、民設民営を避けた理由は、「市が責任を持ってこの事業をやるため」といった内容で、それでは民設民営で行っている他の事業(多くの企業の努力)との整合性はどうなのかなど、まったく説明になっていません。

従業員を親会社が雇用したとみなして計算できる「特例子会社制度」であれば、その活用を広く企業に働きかけたり、障害者を雇用した場合の助成制度について説明をし、採用をお願いするなど、市内あるいは市外の企業との連携をはかるための仕組みづくりが必要なのではないでしょうか。
人里離れた場所に作った箱の中での就労。そんな「箱」をつくることではなくて、「身近な社会の中に障害を持った方でも就労の場がある」という「仕組み」をつくることが、本当の意味での就労支援であり、ノーマライゼイションだと思います。そして、こうした仕組みづくりの方が箱を作ることよりも有効な手段であると同時に、相当な熱意を必要とするものでもあると思うのです。求められるのは、ハードではなく、ソフトです。
10億円の予算を、そうした仕組み作りや、身近な場所での就労機会の創出に使ったとしたら、どんなことができるでしょうか。

以上

「余熱利用による産業での就労を生み出す」という土地利用目的が消滅したこと
10億近く市税を投下して箱ものをつくること(利用する障害者一人あたり約1000万円 、一般就労35~70名、福祉的就労40名)
浦安と関係ない企業の特例子会社2社を入れること
の、3点を指摘して、就労支援のありかたそのものを見直していただくために、この議案に反対するものです。

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