折本ひとみの活動報告折本ひとみの活動報告

今週のひとこと Vol.85 「命のリレー」

<今週のひとことVol.85 2009.9.24>
毎年この時期になると、鮭の遡上のニュースが流れます。先日も新聞にカラフトマスが知床の川を遡りはじめたという記事が掲載されていました。   生まれて間もなく川を下り、大海で成長を遂げ、そして産卵のためふるさとの河口に戻って来た鮭の最後の試練。それが遡上の旅です。人が仕掛けた網、熊の鋭い爪、急流、尖った岩、幾たびの至難に怯むことなく、鮭は上流へ上流へとひしめき合って泳いでいきます。子孫を残すため必死に闘う雄の姿、ぼろぼろになったヒレで川底を掘る雌の姿、そして命がけの産卵を終え、息たえて川岸に打ち上げられる終(つい)の姿…。命を紡いでいくことに、ただただひたむきさなその姿は、涙なしには見られないものがあります。  地球上で唯一知性を備えた人類は、産むこと産まないことを選択することができます。「自分が遊ぶ時間がなくなる」、「自分の人生を優先したい」、「自分のキャリアを捨て切れない」そんな理由から、産むことができるのに産まないことを選択する人が増えてきています。   微生物から始まって、太古の時代から永々と受け継がれて来た命。それが自分です。人の人生をとやかく言うことはできませんが、次の命にバトンをつながず、命のリレーのラストランナーになる選択の重さをもう一度考えてみて欲しいと思います。   また、若年層では、危険な暴走行為で命を落としたり、薬物でぼろぼろになってしまったり、自ら命を絶ってしまったり、身勝手な理由で人を殺めたり傷つけたり、自分の命、人の命を軽んじる傾向が加速しています。   今、絶えまなく鼓動を続け、規則的に呼吸している自分の体は、果てしない命のリレーの最後にあるもの。ひとりひとりの命そのものが「奇跡」なのです。そのことをしっかりと受け止めて、自分をそして人の命を大切にしてほしいと願ってやみません。  知床の最低気温は10度を下回り、知床連山の山々では紅葉が始まっているそうです。静かな世界遺産の自然の中で、今日もカラフトマスの命のリレーが続けられています。

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