折本ひとみの活動報告折本ひとみの活動報告

今週のひとこと Vol.144 「紙縒り」

笹の葉 さらさら  軒端にゆれる
お星さま きらきら  金 銀 砂子
童謡「七夕さま」の美しい歌詞が、園に流れる季節になりました。7月7日は、もうすぐ。園では、七夕飾りの準備が進められています。
折った色紙に細かくハサミを入れて作る天の川や、スイカの絵、馴染みの輪飾りから、面白いものでは、アイスクリームの絵や、宇宙船に乗った宇宙人などの飾りもあります。そして、短冊には、こどもたちが「大きくなったらなりたいもの」と親御さんからの願い事が書きこまれています。
幼児たちが描く「大きくなった」時の夢は、それぞれにとても個性的。身近な大人にあこがれる子、ヒーローにあこがれる子、スターにあこがれる子、はたまたファンタジーやSFの世界にあこがれる子もあり、こどもたちの夢の器の大きさに感心しつつ、微笑ましく読んでしまいます。
準備が整った飾りを笹につけるときに欠かせないのが「紙縒り」です。昔は、髪を縛ったり、煙管の掃除に使ったり、本を綴じたりと、用途はたくさんあったようですが、今では紙縒りが活躍する場は、この七夕飾りとヨーヨー釣りぐらいでしょうか。
飾りと短冊の量だけ紙縒りが必要なので、おうちの方にお願いすると、年々紙縒りの作り方を知らない人が増えていることに気付かされます。紙縒りは、細く切った和紙を上手に両手の中指で支えながら、親指と人差し指で撚って糸や紐のようにするのですが、慣れないと仕上がりが短くなったり、ごろごろしたものになってしまったりします。実は、私が作る紙縒りも、母が作る細い糸のような紙縒りとは、見た目がかなり違っています。
より便利な方向に向かって進化し続ける社会の中で、こうした小さな文化が消えて行く兆しが、身近に、そして私自身にも感じられることが、少し残念に感じられます。その一方で、いつの時代も変わらず、未来を夢みるこどもと、わが子の幸せを願う親の気持ちの糸は、笹の葉の下でゆれる短冊の間で、しっかりと縒り合されていることに、感動を覚えるのです。
紙縒りは「小寄り」に通じ、「小寄りの輪」―語らいの場を作ることも意味しているそうです。家族で「小寄りの輪」を作るのに、七夕の夜は最適かもしれません。地球を見守る満天の星ぼしに思いを馳せながら…。

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