折本ひとみの活動報告折本ひとみの活動報告

今週のひとこと Vol.137 「追儺(ついな)」



病や災いなどの邪気を追い払い、福を招き入れる年中行事「節分」が近づき、今年もこどもたちが想像力を発揮して「怖い顔」を描いた鬼の面の制作が終わりました。

実は、毎年、この鬼の面を見るのが、私の楽しみのひとつ。絵本やテレビなどで見た鬼か、はたまた身近な大人の怖い顔か、あるいは、まったくの想像か、実に個性的な鬼たちに出会うことができます。

大概は、太い眉、つり上がった目、大きな鼻と口、牙などが、それぞれに最も「怖い」と思う色や配置で描かれていますが、中には人の良さそうなのんびり顔の鬼や招き入れたくなるような福相の鬼、どう見ても気弱そうな表情の鬼も混ざっていて、噴き出してしまうこともしばしばです。

節分の歴史は古く、平安時代初期には、すでに宮中で行われていたという記録が残っているそうです。その当時は、方相氏(ほうそうし)と呼ばれる鬼を払う役目を負った大舎人(おおとねり=役人)が、金色の4つ目を持つ鬼の面をかぶって、宮中の厄を追い払って回ったのだとか。当初鬼は、追われる方ではなく、追う方だったのですね。それが、時を経て、庶民の間に広まるうちに、邪気を象徴する鬼を追い払うという現在の形に、変化していったようです。

豆を撒くようになったのは、鎌倉時代以降で、「まめ」の名が「魔(を)滅(する)」ことに通じることや、大豆はその固さから、陰陽五行説(木、火、土、金、水の五元素)の「金」を象徴し、「金」は鬼を象徴していることなどから、「金」の力を封じることができる「火」で大豆=鬼を炒って食べることが、悪鬼の退治になり、無病息災につながるという由来があるとか。調べてみるとなかなか奥が深いものですね。


景気が急速に悪化した昨年以降、コンビニ強盗やタクシー強盗が急増しているそうです。1~8月と9~12月の月平均犯罪認知数を比較すると、コンビニ強盗が4割増、タクシー強盗が3割増にもなっているという報道がありました。警察庁幹部によると、コンビニやタクシーをねらった強盗は、「経済的に追いつめられた者による場当たり的犯行が目立つ窮乏型犯罪」のケースが多いとのこと。殺人などの凶悪犯罪も、失業率の悪化と相関して増えるということです。経済的な困窮は、時に邪気を招き、人を「鬼」に変えてしまうのでしょうか。


「鬼は外 福は内」。

節分の歌をうたう「無邪気」なこどもたちの声を聞きながら、根本からこの社会を変えていかなければ、という思いを新たにしています。

コメントを投稿する

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA