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今週のひとこと Vol.115 「異文化交流への誘い」


浦安市国際交流協会の創立二十周年記念事業「異文化交流へのいざない」の舞台を観てきました。狂言とオペラの二本立てで、東洋と西洋両方の伝統芸術を楽しめるという企画でした。
狂言の演目は「鈍太郎」、オペラの曲目は「愛の妙薬」。
狂言は能に比べてわかりやすく、人間の愚かさをちょっとした笑いにして皮肉るといったおもしろさがあります。また、オペラというと、言葉の壁と、高価というイメージが先行して、ミュージカルに比べ敷居が高い感があります。ところが、今回の企画はその敷居を取り払ったものでした。出演するのは主役と重要な脇役のみ。ストーリーは、朗読によってテンポよく進められ、ハイライトのシーンは、役者の演技・歌を楽しめるという、まさにおいしいとこどりの趣向でした。
狂言とオペラの間には、トークショーがあり、和泉流狂言方能楽師の野村小三郎氏とオペラ歌手の清水宏樹氏が、それぞれの芸術の持つ特徴を楽しく語って、会場の笑いを誘っていました。
能楽師は、世襲により伝統の演じ方をひたすら守ってきたのに対して、オペラ歌手は実力で登用され、同じ演目でもいかに個性的なものにするかで演出家の評価が決まるといったお話には、文化の違いは、国民性の違いでもあると、思わず頷いてしまいました。

平成14年12月に閣議決定された「文化芸術の振興に関する基本的な方針」には、「文化は、最も広くとらえると,人間が自然とのかかわりや風土の中で生まれ,育ち,身に付けていく立ち居振る舞いや,衣食住をはじめとする暮らし,生活様式,価値観など,およそ人間と人間の生活にかかわることのすべてのことを意味する」と定義されています。まさに、文化とは国民性そのものである訳です。

「ニッポン人には日本が足りない」

2002年に公共広告機構のCMで使われたコピーです。山形銀山温泉の外国人女将、藤ジニーさんが出演し、「日本にはいいところがたくさんあるのにそれを忘れてしまっている」と語り、「ニッポン人が日本を知ること。国際交流はそこからはじまります」というナレーションが流れます。

異文化と交流するためには、他国に誇れる日本文化を確立している必要がありますが、戦後の教育(家庭教育も含む)により、日本文化が失われつつあることを嘆く声は、年々高まるばかり。伝統芸術だけではなく、身近な文化の継承が火急の課題であることを、改めて思い起こすことになった日曜日でした。

<今週のひとことVol.115 2007.3.18>

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