2017年2月20日
「負の遺産」
新浦安駅前、京葉線沿いに建設中の白亜の殿堂。
そのビルに入るテナントが注目を集めていますが、同じビルに入る音楽ホールについてはどうでしょうか。
これが、浦安市民が引き継ぐ、「負の遺産」となることを知っている人は、多くはないでしょう。
「30年間で120億円」。
これが、負の遺産額です。
ことの始まりは、平成26年の3月に遡ります。
浦安市議会では、平成26年度予算案が可決。
その中に、このビルの底地に関するものが、1億4900万円入っていました。このビルの底地が、浦安市所有から民間の手にわたり、市が交換で手に入れた猫実の土地に建つ築40年の建物代1900万円、その解体に1億3000万円と、計1億4900万円です。
そして、この4月、今や民間の所有となった土地に建つビルのオープンが間近に。
ビルの4階から7階は、浦安市が借り上げ、音楽専用ホール、多機能ホール、スタジオが設けられます。市が払う賃料は、30年間で50億円。303席しかない音楽専用ホールには、2千万円越えのピアノが入ります。この他に、ピアノは5台。音楽ホール部分建設費、施設管理や運営費まで入れると、30年間で120億円を超えるものになります。毎日100万円余りが30年間この施設に消えていく計算です。
では、だれがこの「負の遺産」を返済していくのか。
もちろん、私たち市民です。
市民の血税から、払っていくのです。
2005年から2035年の浦安市の65歳以上の人口増加率は、全国一位(人口問題研究所)。返済期間の後半は、この高齢化に拍車がかかることは必至。
そんな中、この30年という歳月は子や孫の代に渡り、「負の遺産」は面々と引き継がれていくのです。